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【新・関西笑談】喜びを力に、共に生きよう(2)(産経新聞)

 □「スペシャルオリンピックス日本」理事長 有森裕子さん

 ■助け合って元気になるということ 「社会貢献」とは思いたくない。

 --カンボジアに2回目行くまで、スポーツを通じて社会的な活動を考えたことはありましたか

 有森 もともとスポーツというものは人間の究極の可能性というか、能力とかパフォーマンス性を追うためにあると思ってました。タイムが出て、どういう成績を出して、ということしかなかったですね。

 --それがいきなり途上国に行くことに

 有森 でも、ボランティアとかの意識はなかったです。たまたま自分にできる場所が、そこだっただけ。だから実は、今もあまり社会貢献だという気持ちを持ちたいとは思わない。できる人ができない人のもとへ行って、自分も相手も元気になるという考え方ですから。

 --メディアでの情報発信は社会貢献だとかいうことになりがちです

 有森 私たちが小学生のころって、わざわざボランティアなんて言わなくても、家族や地域で助け合っていたじゃないですか。そう言わなきゃいけない時代なんですよ。できてないから。スポーツにしても情操教育の一環であって、援助活動には入らなかったんです。JICA(国際協力機構)がスポーツを通して草の根の国際支援でお金をつけたのは、ハート・オブ・ゴールドが最初の方です。

 --3年目にハート・オブ・ゴールドの設立でしたね

 有森 平成10年10月10日、体育の日です。自分たちの意思でやろうということで、(カンボジアに招待してくれた)サンケイスポーツの結城さんの発想だったんですが、永続性ある支援のためNGOをつくろうと。ローレン・モラー(現副代表)もいましたが、日本での広報が必要ということで、私が代表になりました。

 --有森さんが先頭に立っていうことでもなかったんですか

 有森 ではなかったですね。あまりそういうのわからなかった人なので。導きがあってということかな。でもライフワークになりましたから、カンボジアマラソンとの出合いはその後の人生において大きかったと思います。

 --カンボジアのマラソン運営も引き継ぎました

 有森 お金も全部見直して、継続するかしないかも含め、現地に行って一から話し合いをしました。そして運営をクリアにしたら、なんと資金がどーんと半分以下になったんです。現地はどうしてだと言い出す。でもそれが悪いかと、額じゃあないだろうと、ずいぶんやりあいました。弱小NGOなので散々でしたけど、今では46カ国のランナーが参加してくれます。

 --軌道にのったのはいつごろですか

 有森 5回目ぐらいからです。ランナー育成ではなく、指導者育成に焦点をあて始めまたんです。バレーにバスケ、サッカー、バドミントンも入れて。マラソン大会を象徴にして、スポーツを通した人材育成をし、現地の子どもたちを変えていくことができたんです。カンボジア政府も重要性を感じてくれたんでしょう。小学生の指導要領を作成したいと、教育省とスポーツ省からの依頼がありました。そこで筑波大学とコラボして、JICAが資金を出し、2006年から約3年かけて指導要領をつくり、7千校に配られたんです。心身ともに健全で、という教育の流れがカンボジアでやっとできたわけですね。(聞き手 北村理)

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